【いのちについて考える】
「たかじゅーん!」
なにー?
「犬飼ってや。たかじゅんも犬好きやろ?」
たしかに、ぼくも犬が好きだ。
ここ1年半の出逢いのおかげで、わんちゃんねこちゃんの魅力がわかってきた(つもり)。
将来的には飼ってみたいとも思う。
「ねぇ、飼ってや。」
その女の子と100回近く繰り返したこのやり取り。
最後はいつも、この言葉で終わる。
「〇〇ちゃん、ごめんな。
ぼくも飼ってみたいけど、
いのちをあずかる自信がないんよ。」
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テーマ探究クラスは、
ひとつのテーマについて学び、
その学びを生かした「世界をよりよくするアイデア」を発明しています。
そのためには、
世界の問題点を「知る」必要があり、
知るためには、
目を瞑りたくなるような現実に「直面する」こともあります。
ーーー
ペットの殺処分問題。
とても重く、つらいテーマのため、
取り扱うか躊躇いました。
しかし、
小学2・3年生という心が育つ時期に
いのちについて知ることは、
彼らにとって大切な学びになると判断し、取扱うことにしました。
いつもは大はしゃぎの天才子どもたちも、
今回はまっすぐな眼差しで事実を受け止め、真剣な表情で訴えかけました。
「このままやったら、あかんやろ。」
「こんなん、可哀想すぎるやん。」
「人間、わがまますぎるやろ。」
心の底からの想いでした。
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彼らは紙にペットを救うアイデアを書いていきます。
「狙いを定めて、広げて、まとめて、しぼる。」
アイデアを出すコツもつかんできてます。
ええっと、
ええっとと言いながらアイデアを書きだす4人の、
内なるパワーを感じました。
(基礎学力の勉強とはちがうパワーです。アイデアを出せるようになってからの彼らは、輝く姿勢で机に向かっています。)
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そのうちのひとりは書きました。
『人間の脳から、「ペットをすてる」というものをけす』
彼らが描いたゴールを達成するにはどうしたらいいだろう?
4人の探究の旅は、
次の授業へとつづきます。
(高学年クラスも、いのちをすくう方法を考えました。彼女たちは写真嫌いなので撮影してませんが、小6生も豊かな創造力でアイデアを生み出してくれています)
文・高橋惇(イドミィ代表)